最近の漢方相談を通じて感じること「漢方での改善のプロセス」

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最近の漢方相談を通じて感じること「漢方での改善のプロセス」

 

漢方を通じて、「健康に心地よく生きる」お手伝いをしたい。

そんな気持ちで漢方薬局あさを開局してもうすぐ2年半になります。

ご縁を頂いたお客様には心から感謝いたします。

これからも精一杯尽力させていただきます。

 

ここで改めて開局してからお越し頂いているお客様のご相談を通して最近感じていること、

また、これから漢方治療をお考えの方にお伝えしたいことをお話したいなと思います。

良かったらお読みください。

 

西洋医学が主流の現在、漢方薬局にお越し下さるお客様の医療に対する考え方は、やはり「西洋医学」の治療や改善をイメージしてお越しくださいます。

病院でも漢方薬のエキス剤が出されることがあるので、西洋薬のような即効性、効能効果を期待されるのだと思います。

ただ、やはり西洋医学と漢方はそもそもの人の見方、薬の身体へのアプローチの仕方、そして「改善のプロセス」という点で異なります。

 

特に「改善のプロセス」という部分。

今回は、この点についてぜひお伝えしたいなと思います。

もしかしたら3年後、5年後には私のいうことは変わるかもしれません。

来局下さるお客様が変化していくからです。

 

今の私の経験から感じていることを受け止めて頂けたら嬉しいです。

 

現在漢方薬局あさにいらっしゃるお客様は、西洋医学的に言うと、「自律神経のバランスが崩れて生じる症状」でお悩みの方が多いです。

不眠、頭痛、胃の不快感、便秘、下痢、更年期障害、生理不順、にきび、敏感肌、不安感、動悸・・・

症状が違うため、西洋医学では診療科も違えば、服用する薬も異なります。

でも漢方では、これらの異なる症状に対して同じ漢方薬を使う場合があります。

 

西洋医学の治療では、例えば、

興奮して眠れないのであれば興奮する神経をブロックします。

頭痛で痛みがあるのなら、痛みを伝える神経をブロックします。

神経を遮断するのだから、薬が効けば症状はすぐに改善します。

 

では漢方薬はどうなのでしょうか。

今回は「自律神経のバランスが崩れて生じる症状」に対して、イメージしやすい表現を使ってお話します。

 

漢方は時には「バランスの医学」といわれます。

何のバランスをとるのか・・・というと、

自律神経には交感神経と副交感神経があります。

車に例えると、アクセルとブレーキのような関係です。

症状が出るのはアクセルの踏みすぎ、またはブレーキのかけすぎです。

漢方では、

アクセルを踏み過ぎていたらブレーキがかかるようにする。

ブレーキを強くかけ過ぎていたらアクセルを踏む。

そして程よいバランスを保てるようにします。

人によっては、アクセルを踏んだかと思ったら、勢いよくブレーキをかける・・・そしてまたアクセルを思い切り踏む・・・というような方もいらっしゃいます。

その場合は、勢いを緩めてあげるような働きがけをします。

そして次第につらい症状が生じにくい身体に整えていきます。

 

だから、漢方薬を飲んだらすぐに症状がなくなる、ということはありません。

また、先月は症状がほとんどでなかったのに、今月は症状が出て大変だった・・・ということもあります。

どのような場合かというと、何らかの強い刺激があり、漢方薬の力が及ばないくらい大きくアクセルとブレーキのバランスが乱れてしまった場合です。
あとは、お天気に左右されることもあります。一日又は日ごとの寒暖差が大きかったり、雨が降ったと持ったらカラッと晴れたりという気圧の変化が、お身体に大きな影響を与える場合があります。
漢方薬をある程度の期間しっかり飲んで頂くと、大きな刺激を受けてもアクセルとブレーキの振れ幅が少なく済むようになります=おつらい症状が出にくくなります。

 

「どのくらいの期間でそうなりますか?」
と質問を受けますが、正直、人によってかなり違います。

 

「すぐにアクセルを踏んでしまう」

「ブレーキをかけすぎてしまう」

これは簡単に言うと「身体の癖」です。

癖の強さはお一人お一人違いますよね。

 

調子が良い時期が増えたら、少しづつ漢方薬の服用量を減らしていき、最終的には服用しなくても良い状態になります。

半年で廃薬になる方もいらっしゃいますし、人によっては数年継続いただくこともあります。

 

西洋医学のようにすぐに結果を求めたくなる・・・もちろんお気持はわかります。

できるだけ早く症状が軽くなるよう尽力致します。

 

ただ、どうしても個人差がある、特に自律神経の絡んだ症状はそれが顕著であることをご理解頂きたいと思います。

 

一人でも多くの方が「健康に心地よく生きる」・・・お手伝いをこれからも漢方を通じてさせて頂きます。

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