こんにちは。
世田谷 桜上水 漢方薬局あさの村上千絵です。
涼しくなり、体調を崩す方が増えています。
以前お越しいただいた、男性のお客様の症例です。
左の頬骨の奥が痛くなるそうです。
副鼻腔炎かな・・・とおっしゃいました。
漢方薬のエキス剤を服用したそうですが良くならず、何か良い方法はないかとご来店くださいました。
風邪をひいたときのような鼻声で、左の頬骨の奥が痛いとおっしゃいました。
疲れるがたまってくると、このようになるそうです。
ひどい時は、抗生剤を服用するそうです。
ひどくなる前に何とかしたいということでした。
体格はしっかりしていて、首から肩、背中が張っているご様子。
汗かきのほうではなく、普段より少し寒気を感じるそうです。
傷寒論(しょうかんろん)という漢方薬の書物には
「頂背強ばることしゅしゅ、汗なく悪風するは、葛根湯之を主る」
とあります。
訳:「首筋から背中にかけて強ばり、首の後ろがこり、汗はかいていなくて、寒気のある者は葛根湯がよい」
この方には、葛根湯にさらに、頬骨の奥の痛みを改善するために、センキュウ、シンイという生薬を加えたものをお出ししました。
一日分ですっかり良くなったとおっしゃたのですが、今は仕事が大変お忙しいということだったので、ぶり返さないように念のため、もう一日服用して頂くようにお願いしました。
味がおいしく、水筒に入れて会社に持っていき、お茶代わりに飲まれたそうです。
「湯」とついた漢方薬は、本来は煎じ薬で飲むものです。
自分に合ったものでしたらおいしく感じることが多いです。
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おつらい症状は身体からの「つかれているよ。」「休もう。」という合図です。
改善するのは、「本人の健康になろうとする力」。
漢方薬は、その手助けをすることができます。
人と漢方薬をつなぐ役目をこれからもしっかりとやっていきたいです。