こんにちは。
世田谷区桜上水、漢方薬局あさの村上千絵です。
今日から八月ですね。
今日は写真のパンの材料「小麦からできるグルテン」について書こうかなと思います。
グルテンは、小麦の中にあるグリアジンとグルテニンというたんぱく質が水を加えて混ざるとできます。
パンのふわふわ感、もちもち感の正体です。
このグルテン、体の中で悪さをしているのではないかと考えられています。
私が子供のころ学年に一人は小麦アレルギーの人がいました。
今回のお話はこれとは違います。
アレルギーには「急性アレルギー(IgE抗体が関与しているもの)」と「遅発型アレルギー(IgG抗体が関係しているもの)」があります。
昔からある「小麦アレルギー」と言われるのは急性型アレルギーのこと。小麦の入ったパンを食べたとたん呼吸が苦しくなる、体がかゆくなるといったものです。
「遅発型アレルギー」は食べてから数時間あるいは数日経ってから症状が出ます。しかも症状が多岐にわたります。便秘、下痢、疲労感、頭痛、集中力の低下、うつ、イライラ、多動、花粉症など、人によって症状が違います。
グルテンはこの遅発型アレルギーをひきおこす、一つの原因ではないかと考えられています。
しかし症状はあるのに血液検査ででないこともあるため、まだはっきりしたことはいえません。
血液検査以外の確認方法があります。
2週間グルテンの入ったものを食べずに過ごします。2週間以内につらかった症状が軽くなる、あるいは消失し、いつも通りの食事に戻すと、再び体調が悪化すれば、グルテンが原因と考えられます。
グルテンの身体への作用には大きく3つあります。
- グルテンは腸粘膜を傷つけます。
グルテンが腸粘膜を傷つけると、腸の消化力、解毒力がおちます。
食べ物は未消化のまま血液中に吸収され、毒素も解毒されず吸収されます。
→IgGアレルギーや過敏症の引き金になります。
- グルテンには麻薬のような中毒性があります。
グルテン由来のグリアジンのアミノ酸配列がモルヒネに似ています。
血液脳関門を通過し、精神症状に影響を与えてしまいます。
幸せホルモンのセロトニンやリラックスホルモンのGABAの分泌が低下します。
興奮作用のあるノルアドレナリンが過剰分泌されます。
→うつ、イライラ、集中力の低下などの精神症状がでやすくなります。
小麦製品をやめるのがつらくなります。
- 活性酸素を除去する物質グルタチオンペプチドの材料の一つ、システインの取り込みを阻害します。
→活性酸素がたまり、疲労の原因になります。
もし体調不良があり、パンやパスタ、ピザ、うどんなどが大好きで毎日食べているのであれば、一度小麦製品を2週間食べないことをしてみてくださいね。
2週間やめて体調が良くなったから、もう絶対に食べない方が良いということではありません。
小麦が自分の体調と関係していたということを実感したら、体調にあわせて、食べる頻度を調節されることをお勧めします。
今日もお読みいただきありがとうございます。
世田谷 桜上水
漢方薬局あさ
村上千絵
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