当帰芍薬散を服用して感じたこと

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「女性のための漢方薬」とネットで検索すると、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散が女性の三大漢方薬として出てきました。

そこで、今回は当帰芍薬散について、私が実際に服用して感じたことを書いてみようかなと思います。

クラシエさんのサイトの当帰芍薬散をみると、効能効果として以下のように書かれています。

「体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り」

私は以前、当帰芍薬散を服用していたことがあります。

つかれやすいし、生理痛があってお腹が痛くなるし、頭痛もある、立ちくらみもしやすいし、肩こりもある、冷え症も気になる、むくみもあるし・・・と思い、服用しました。

服用してみると、生理時のお腹の痛みは改善されたと思います。

冷えも少し良くなったかもしれません。

でも、依然として、つかれやすい、立ちくらみ、肩こり、むくみ、頭痛は治りません。

飲み続ければよくなるのかなあ・・・と思いながら、数ヶ月。

結局、漢方薬の効果ってこんなものか・・・と思ったのを思い出します。

でも、今ならわかります。

「当帰芍薬散で効能効果に書かれている全ての症状は改善しない」ということ。

そのことについて、私なりの考えをお伝えします。

私は生理時のお腹の痛みは改善しました。

どうしてでしょうか。

それは、当帰芍薬散には子宮を温める働きがあるからです。

当帰芍薬散を服用して子宮が温まり、痛みが改善したと考えられます。

子宮を温めることで多少全身の血行が良くなり、冷えも少し改善したのだと思います。

では、つかれやすい、立ちくらみ、肩こり、むくみ、頭痛はどうでしょうか。

これらの症状の生じる原因は子宮の冷えとは関係がなかったのでしょう。

だから、当帰芍薬散では改善ができなかったのだと思います。

生じる原因が違えば、それに合わせた漢方薬に変更する必要があります。

当帰芍薬散の根本的な働きを理解しないと、おつらい症状は改善できません。

漢方薬で不調を治すには、不調の原因を1つと考えていいのか、複数あるのか。

複数ある場合はどの順番で改善していくのが一番の近道か。

と、言ったことを考える必要があります。

そして、うまくいかなかった場合は、他にどのようなケースが考えられるか。

と、さらに考え続けることが必要です。

漢方薬局にお越し下さる方の中には、すでに色々なことを試されて、長いことおつらい思いをされている方が多くいらっしゃいます。

正直に申し上げて一筋縄ではいかないことも多々あります。

その方の症状が出る原因を漢方相談を通じて紐解き理解し、漢方薬の働きとかみ合わせることができると、改善に向かいます。

このような作業をしないと、漢方薬を効かせることができない方はいらっしゃいます。

もし、なかなか改善しないおつらい症状がございましたら、ぜひ一度ご相談下さい。