漢方治療の主役

あさコラム/漢方治療について
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漢方治療の主役は患者様です。

ご来局下さる方の中には、「○○○に良い漢方薬ありますか?」とおっしゃいます。

そのような漢方薬はありません。

「おつらい症状」+「お一人お一人の体質・生活スタイル・食生活・既往歴」を伺い、漢方のものさしで整理して、漢方薬をお選びするため、でもありますが、

おつらい症状を治すのは、漢方薬ではないからです。

先日、他のところで出された漢方薬について、なぜかうちに問い合わせのお電話がありました。

「今お腹を壊しているのですが、以前かかった胃腸炎の時に出された漢方薬を飲んでも良いですか?」

話していて分かったのですが、胃腸炎の原因のウイルスに、服用した漢方薬が効果があると思っていらっしゃいました。

漢方薬は直接ウイルスをやっつけることはできません。

漢方薬は体内の巡りをととのえることで、身体の機能を調えます。

簡単に言えば、血流が良くなる→代謝が良くなる。

そして、免疫力が高まったり、ホルモンのバランスが調ったり、自律神経が調い、

おつらい症状が改善されます。

ですから、漢方薬はもともと備わっている患者様の機能の手助けをしているにすぎません。

漢方治療をする上では

おつらい症状がどんな時に悪化するのか、どんな時に良くなるのか。

あっためると良いのか、冷やすと良いのか、

じっとしていると良いのか、動いた方が調子が良いのか。

と言った情報はとても大切です。

おつらい症状には必ず原因があります。

患者様を通しておつらい症状がなぜ生じるのかを医療従事者がしっかりと感じることができたとき、

適切な漢方薬をお出しすることができ、効果が最大限発揮されます。

「○○○に良い漢方薬」ではなく、
あなたのおつらい症状に最善の漢方薬をみつけましょう。

なかなか良くならないおつらい症状、ぜひご相談くださいね。