(漢方処方)煎じ薬の良いところ(煎じる漢方薬)

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漢方薬には煎じ薬とエキス剤(病院で処方されるものやドラッグストアで販売されているもの)があります。
どう違うの?と思うかもしれません。

そもそも煎じ薬とはどのようなものかというと、
①薬局でご相談を頂き、その方に合わせて薬剤師が生薬(漢方薬の原料である植物の根っこ、花、実など)を組み合わせて、1日分ずつティーパックにします。
②ご自宅でティーパックをお鍋にいれ、水から煎じます。沸騰するまでは強火で、沸騰したら弱火で約30分ほど煎じます。
③最後にティーパックを取り出したら、漢方薬の出来上がりです。出来上がった漢方薬を1日数回に分けて服用します。

漢方薬局あさで煎じ薬とエキス剤の両方を取り扱っていて感じることがあります。
それは、同じ名前の漢方薬でも、時と場合によって煎じ薬、エキス剤は別物ではないかと感じてしまうことがあるということです。

さらに、エキス剤については、一言でエキス剤と言っても、製薬会社によって製法などが違うため、服用したときのお身体の反応が違うこともあるように感じます。

煎じ薬の良いところは3つあります。

1つ目
漢方薬の原料である生薬を厳選できることです。
漢方薬を効かせるには良い原料を使用したいです。
問屋さんから情報を頂き、できるだけ良い生薬を使用しています。

2つ目
お一人お一人にあわせて、オリジナルに作ることのできる点です。
例えば、梅雨時期は湿度で人によっては胃の働きが弱まります。
その時は胃に配慮した配合に調整することができます。
冬は気温が低くなります。
冷え性の方には冷えに配慮した配合に調整することができます。
 
3つ目
煎じることによるアロマテラピー効果です。
漢方薬局に初めてお越し下さる患者様の中には、薬局に入っていらっしゃると「良い香りですね。」とおっしゃいます。
宅急便のお兄さんも「いい香りですね。」とおっしゃって、深呼吸されて、再びお仕事に行かれます。
ご自分にあった漢方薬でしたら、なおさらです。
香りで非常に癒されます。

朝、起きて、カーテンを開けて、陽の光を浴び、台所で自分のための煎じ薬をセットする・・・。
洗濯機を回して、台所に戻ると、煎じ薬の香りが広がっている。
ぜひ、こんな風にイメージしてみてください。

煎じるのが面倒くさいと感じるかもしれません。
ぜひ食事の用意をしながら作ってみてください。

やっぱり難しいという場合は、水をセットすればあとはおまかせの「自動煎じ器」がございます。

最後に、気になるお味は・・・
皆さん覚悟を決めて?!飲まれるせいか、「意外に飲みやすかった。」とおっしゃいます。
「経験したことのない味。」 中には 「美味しいです!」
という方も。

あとは、漢方薬の中には甘みのあるものもあります。
その甘さのおかげで、チョコレートなどの甘いお菓子を食べなくなったという方もいらっしゃいます。

一過性の急性症状の場合でとりあえず早く漢方薬を飲みたい!という時は、手に入りやすいものでの対応も必要でしょう。

でも、
・こじれてしまって長引いてしまった風邪
・慢性化してしまった症状を改善したい
・検査では異常がないけど身体に不調を感じる
・お腹が弱い
・つらい症状がたくさんある
といった場合は、その方に合わせたオーダーメイドの煎じの漢方薬が、より早く改善の実感を得やすいように感じています。

煎じ薬・・・自分で作るものには愛着がわきます。
そして、自分の身体のことがより深くわかるようになります。
それは、何よりも改善への近道です。
ぜひ一度お試しいただきたいです。