(最近の漢方相談から8)汗の対策

あさコラム/最近の漢方相談から
  1. ホーム
  2. あさコラム
  3. (最近の漢方相談から8)汗の対策

汗をかく季節になりました。
汗のかき方、臭いを気にされるご相談が増えます。

汗の本来の目的は体温調節です。
体温が上がり、上がりすぎることによって体の機能が維持できなくなるのを防ぐために、汗によって熱を外に発散させます。

汗をかくことは大切な生理機能です。
良い汗をかけるようになると良いですね。

1.汗のかき方について。

体温調節のための汗は必要な汗なのでとめることはできません。

〇玉のような汗をかく。
〇暑くもないのに手のひら、足の裏から汗をかく。
〇寝汗をかく。

このような汗のかき方は、交感神経の働きが過剰になりすぎているかもしれません。
汗腺は交感神経に支配されています。
日ごろから気を張っている、緊張が強い、ストレスを強く感じている、呼吸が浅い、という場合は、まずは身体の緊張をやわらげましょう。
深呼吸、ストレッチ、ゆっくりお風呂につかるなどおススメです。

身体が非常に疲れきっている場合は、汗腺を閉める力が弱くなっています。汗が勝手にもれでてしまっている状態です。

汗を体温調節以上にかくという状態は、上記のように汗以外の部分での身体の機能のバランスの乱れがあると考えられます。
・気を張っていて身体がいつも緊張している、
・身体が疲れ切って汗腺を閉じる力が不足している、
と言った場合は、お身体を建て直す漢方薬を服用することで汗のかき方がかわります。

〇汗がなんだかベトベトしている。
このような場合は、普段から積極的に汗をかきましょう。
汗をかかずに過ごしていると、汗そのものが濃くなります。
汗をかくことを繰り返していくうちにサラサラな汗になります。

2.汗の臭いについて

実は汗そのものはほとんど臭いがないです。
臭うようになってしまうのは、
・汗に含まれる成分が皮脂と混ざり皮膚上にいる常在菌によって分解されて臭いが発生。
・汗がサラサラではなくベタベタな汗になり、強い臭いになる。
・ニンニク、玉ねぎ、アルコールと言った食べ物が汗の臭いを強くする。
・肉や揚げ物などは皮脂分泌を促進するので、体臭を強くする。
・ストレス、疲労が汗の臭いを強める。
ということが考えられます。

3.汗対策

汗は前述しましたが、体温調節のために必要なものです。
ですから、止めることはできません。
ぜひ、良い汗をかけるようになりましょう!

ポイントは3つです。

①汗腺の働きを整えましょう。
そのために、運動、入浴で汗をかき汗腺を鍛えましょう。
普段あまり汗をかいていなかった場合は、ベタベタ汗になっています。
繰り返し汗をかくことでサラサラした汗をかけるようになります。

②梅干し、海藻類、緑茶、ビタミンCを多く含む食品など、
抗酸化食品を食べましょう。

③腸内環境を整えましょう。
腸と皮膚は裏表の関係です。腸内環境が整うと皮膚の状態がよくなります。
皮膚の上にいる常在菌のバランスが良くなると、汗の臭いが柔らかくなります。
また、腸内でたんぱく質やアンモニアなどの臭い物質の発生を抑えることができます。
→ごぼう、きな粉、トウモロコシ、発酵食品など食物繊維、オリゴ糖を含む食品を食べましょう。

ササヘルス(当薬局で取り扱っている国産クマ笹100%のエキス)もおススメです。
ササヘルスの原材料のクマ笹には葉緑素、多糖体、リグニンという薬効成分が含まれます。効能効果として体臭、口臭改善が認められています。

今年の夏も暑くなりそうです。
気持ちよく汗をかき、心地よい夏にしたいですね。