(最近の漢方相談から7)心と身体はつながっている

あさコラム/最近の漢方相談から
  1. ホーム
  2. あさコラム
  3. (最近の漢方相談から7)心と身体はつながっている

先日お越し下さった患者様。
しばらくいらっしゃらなかったので、もう漢方薬の助けはいらなくなったのかな・・・と思っていたのですが、久しぶりにお越しくださいました。

もともとの主訴は胃の調子が悪いこと。
今回は胃だけでなく腸の調子も悪いとのこと。
「食べると胃が痛くなるし、下痢してしまうから、ここ一か月食べることがこわい」
とおっしゃいます。

さらに、
「春だからかな・・・」
「いつも春は具合が悪くなるから仕方ないのかも・・・」
「更年期も重なっているからなおさら症状が悪いのかも・・・」
とおっしゃいます。

でも、今までにないほどの症状の悪さに、私はおかしいなと思いました。
胃腸以外のお身体の状態も確認させて頂きました。
やっぱりおかしい。
なんでこんなに急激に症状がおきたのだろう…。

そこで、「何かいつもと違ったことはありませんでしたか?」
と伺いました。

すると・・・
ここ数カ月にわたり、あることで気持ちがずっと悶々としていることがわかりました。

患者様は
「こんなこと話してもいいのでしょうか…」
「愚痴みたいですよね」
と、おっしゃいます。

でも、患者様にとってこのことはとても大切で心を痛めていました。
だから、その心が胃腸の働きを乱してしまいました。
もちろん、更年期の女性ホルモンの急激な変化の影響もあると思います。
春という天気の変わり目の影響もうけていると思います。
一言で「これが原因」と明確にすることはとても難しいです。

でも、このように心の中にいつもすっきりしないものがあり続けるということは身体に大きな負担となります。

私はお話をお聞きすることしかできませんが、
話すということは、身体の中に滞っていたものが外に吐き出されるということ。
お身体の改善にはとても大切なことです。
もちろん漢方薬の効きも良くなります。

ここ最近、「心」が深く関与していると考えられる患者様が非常に多いです。
「心」を無視しても身体は少しは良くなります。
でも、そこまでです。
良くなったと思ってもまた悪化して、すっきりした改善には至りません。

今回の患者様のように
「こんなこと、ここでお話して良いのですか」
「これって愚痴ですよね」
と、人としてやってはいけないことと感じている方もいらっしゃいます。

でも、話すことはとても大切なことです。

「心身一如」
心と身体はつながっています。
それこそ、身体のひとつひとつの細胞まで心の影響は受けています。
だから、心がのびのびとしていれば身体も調子が良くなります。

身体の不調には気がついても心の痛みにはなかなか気がつきません。
身体の不調の裏には「心」があることをぜひ感じてくださいね。

ちょっと視点は違いますが、
お風呂で湯船につかってもなかなか温まらない、
すぐ湯冷めしてしまう、
という方の中には、
「心の張り=身体の緊張」が続いていることが考えられます。
良かったら以下のコラムをご覧ください。

最近の漢方相談から2)湯船につかって身体が温まるとは…