最近の漢方相談から③「漢方の体質改善とは」

あさコラム/漢方治療について
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つらい症状は体質が変われば治ると思いました。
漢方で体質改善したいです。

ぜひ、やっていきましょう。
と、言いたいです。
でも、なかにはなかなか険しい道のりの方もいらっしゃいます。
数ヶ月で見違えるように改善される方もいらっしゃれば、年単位になる方もいらっしゃいます。

私自身の体調不良の話も交えて、今の私が考える「漢方の体質改善」について考えてみました。
良かったらお読みください。

私が漢方に興味をもったきっかけの一つに、私自身の体調不良があります。
「漢方は体質改善ができる」という言葉に希望をもちました。

この希望に対して今の私はどう感じているかというと、
希望をもって漢方を信じたことは本当に良かったと思っています。
そして、漢方と出会ったからこそ、今の私がいる。
そうなんです、私はたぶん、漢方と出会ってなかったら、フルタイムでの仕事は難しかったと思います。
そのくらい私の体調不良は深刻な一面がありました。

漢方と出会って、私の体調不良は全くなくなったかというと、そうではありません。
完全になくなった症状はもちろんあります。
でも、まだ時折出る症状があります。
症状の頻度は減り、出てしまっても仕事はできる程度になりました。

だから、結論から言うと、完ぺきに体質を変えることは難しいです。
でも、私の生活の質は格段にあがりました。

私が考える「漢方」という言葉には二つの要素が含まれます。
それは、漢方薬と養生です。

しっかりと治すためには、養生は必要です。
生活を全く変えずに漢方薬のみで治すことは不可能です。

私の今だに時々出る症状も、生活の中で色々なことが重なったときに出ていると感じてます。
今の自分の心身の許容できる力を超えたことをしていれば、具合は悪くなるんです。

自分の日々の生活や飲食に目を向けるということは、
「今の私はここまでだったら大丈夫」
ということがわかるようになるということ。

いきなり理想的な生活をしましょうということではありません。

今の自分の心身の限界を知り、改善できるところを整えていく。
さらに、漢方薬の力を借りて、おつらい症状を改善していく。

そうすることで、少しずつ心身に余裕が生まれます。
すると、できることが増えていきます=心身が許容できる範囲が広がります。

私は、これが漢方の体質改善だと考えています。

ここでとても大切なのは、今の自分の心身の限界を知る、ということ。
漢方薬局あさにお越しの患者様はとてもまじめな方が多いです。

「みんなやっているから・・・」
「ママ友はこれもやって、あれもやって、それなのにいつも元気なのに私は・・・」
とおっしゃいます。

でもね、人は人、あなたはあなた。
それに、外では元気にふるまっているけど、家に帰ったら、ぐったりしている人、実はほとんどではないでしょうか。

今はできないことがたくさんあっても、できていることはあるのです。
養生=自分の生活をふりかえって、今できることをしっかりやる。
漢方薬でおつらい症状を改善していく。

そうしたら、必ず、日常が豊かになります。

漢方は
あなたがどうなりたいのか、どんな生活を送りたいのか、どんな感情で過ごしたいのか、
その想いを形にするお手伝いができると信じてます。

※内容は、現在の私の臨床経験で感じたこと、考えたこと等がもとになっています。経験を重ねていくうちに内容が変化していく可能性がございます。ご了承ください。