最近の漢方相談から②「湯船につかって身体が温まるとは…」

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湯船につかると、
・身体が温まる
・疲れが取れる
・睡眠が深くなる
・身体のこりがほぐれる
・むくみがとれる

などと、言われているけど、どうも思うように良さが実感できない
という患者様がいらっしゃいます。

・なかなかあたたまらない
・あたたまってもすぐに冷える
・そもそも湯船でリラックスできない
ようです。

よくよくお話を聞くと、皆さん、とてもまじめ。
「良いことだから、やらなければならない」
という気持ちが先行しているようです。
これでは、「気持ちよかった~」「お湯をはって良かった~」ということにはならないですよね。

私がお風呂好きなので、漢方相談の中でお勧めしすぎたかもとも思ってます。。。

湯船につかるのは何のためでしょうか。
一日の疲れをとる手助け。
睡眠の質をあげて、朝すっきり起きれるようになるための手助け。
という方がほとんどだと思います。

もし上記の手助けとして他に自分に合った方法があるなら、それでよいのだと思います。

ただ、漢方薬局あさにお越しの患者様の多くは、湯船につかることで、
「冷え性だから温まりたい。冷え性を改善したい。」というお気持ちがあります。
血流が悪いから冷え性になるし、
血流が悪いから疲れが取れない、睡眠の質が下がることにも当然つながります。

できれば1日1回何らかの方法で、全身に血液をしっかりと巡らせていただきたいです。
手先足先、腰回りが温かいと感じてほしいです。

お風呂につかる良さが実感できていない患者様に最近ご提案しているのは、
翌日ゆっくり過ごせる日の前日に、翌日のことは何も考えずにぼーっと湯船につかりましょうと申し上げています。
旅行先でのお風呂は気持ちよいですよね。
解放感があるからなのかな。
それと同じような感覚に家のお風呂でもなって頂きたいです。
せめて、週1回でも・・・。

何も考えずにぼーっとつかることが苦手な方は、
深(真)呼吸をする。
下腹部にある丹田まで空気が入っていって、ゆっくりとはく。
その時、全身の細胞も一緒に呼吸をしているようなイメージをもって。
これを繰り返すと、全身の血流が良くなります。
イメージはとっても大切です。
このイメージが難しければ、
「血流良くなれ」、「全身の細胞が赤ちゃんの頬っぺたのようになれ」、と思いましょう。

気がついたら、身体がポカポカ
顔にじんわりと汗が・・・身体の芯まであたたまっているはずです。

考えてみたら、実は私もここ最近、湯船につかってもなんだかな・・・と思うことがありました。
何時までにお風呂に入らないと、寝る時間が遅くなる
などと考えながら湯船につかっても、気持ちが落ち着かないんですよね。

先日の休みの日、昼間に自分のためにお風呂を沸かし、ゆっくり湯船につかりました。
そうしたら、身体の芯までポカポカしてきて、身体の中がふわっと柔らかく温かくなったのを感じました。
とても気持ちがいい~♪
そして、いつもまでもポカポカして湯冷めしませんでした。
「これが本当の湯船につかる効果なんだなあ」と実感しました。

湯船につかって身体が温まる=身体の芯から身体がゆるまる=心が解放される

ちなみに、一応漢方薬局のコラムなので漢方薬のお話をすると、
冷えにもいろいろなタイプがあります。
・身体の緊張が冷えを生み出しているタイプ
・胃腸の弱さが冷えを生み出しているタイプ
・筋肉量が少ないために自分で巡らせる力が弱く冷えてしまっているタイプ
などです。
私個人的には、冷えを治すのはなかなか難しいと感じてます。
ある程度筋肉量もあり、胃腸もしっかりしていて食べることができる方は改善が早いです。
でも、
・すぐ疲れてしまう、
・運動したくてもその元気がない、
・すぐお腹がいっぱいになってあまり食べれない
という方は、漢方薬を飲むとその直後は身体がポカポカするけどすぐ冷えてしまう、とおっしゃいます。
漢方薬と生活養生、食養生を織り交ぜながら、根気よく改善していく必要を感じます。
後者の方は、冷え性だけでなく、「体力がついた」「休みの日も出かけられるようになった」と、生活の幅が広がっていきます。

どんな自分になりたいか、どんな生活を送りたいか、その想いを形にするお手伝いが漢方薬はできますよ。

※内容は、現在の私の臨床経験で感じたこと、考えたこと等がもとになっています。経験を重ねていくうちに内容が変化していく可能性がございます。ご了承ください。