子供の不調と便秘

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お子様のご相談を受けお身体の状態を伺っていると、多くの場合「便秘」があります。

そして、親御様が考えている以上に深刻の場合も少なくありません。

それは、この便秘がお身体の不調の原因に大きく影響を与えていることです。

お子様にとって「排便」はとても大切です。

もちろん大人にとっても大切ですが、

子供はそもそもまだ体が小さく、その小さい身体に便をため込むことは、

成長という身体の変化が絶えずある中で、ますます身体の機能、さらには心までもを不安定にさせます。

他の臓器やさまざまな機能へ大きな影響を与えます。

どうか、お子様の「排便」の状態をしっかりと把握してください。

良い便、排便の状態とは

まず悪い便をお伝えします。

・うさぎのようなころころ便

・表面がひび割れている便

・硬いぼこぼこの便

・びちゃびちゃの便

・液体の便

・・・良い便とは、形がある柔らかい便です。形はバナナうんちが良いですが、細めの蛇のような便でも大丈夫です。そして楽にボトンと出ると良いですね。

排便の状態は

・毎日もしくは1日おきに出る

・少しの腹圧でするっと出る

・5分以内に出る(理想は1~2分)

・お尻を拭いたときに血がつかない

・便器に詰まるほど大きなうんちはでない

便意があるのに我慢して必要以上に体内にとどめておくことが習慣化されてしまうと、正常に戻すのが大変です。

始めのうちは、便意を我慢することで便が硬くなるだけです。

でもそれを繰り返していくと、便意を感じにくくなります。

どうしてかというと、いつも便がたまっていることで伸縮性のあった腸の管が伸びきったゴムのような状態になってしまうからです。

伸びきってしまうと感度が悪くなります。

たくさん便がたまらないと便意を感じなくなります。

そうなると便意を感じたときには肛門を通るのが大変な大きさになっており、苦痛を伴います。

時には痔になります。

伸びきったゴムはもどりますか?

戻りませんね。

人間の腸は努力と時間をかければ戻ります。

便秘にならないようにするには、便意を感じたら我慢しないでトイレに行くことです。

それでも、お子様でしたら学校ではトイレに行きずらいかもしれません。

本当は行きずらさを感じる必要はないのですが・・・。

では排便を感じやすいタイミングを考えましょう。

大きく2つあります。

  • 胃・結腸反射といって、ごはんを食べるとうんちに行きたくなります。

→食べたものが胃に入ると大腸が動き、直腸へうんちを送り出します。

  • 姿勢・結腸反射といって、寝ていて目覚めて起きたらうんちに行きたくなります。

→横になった姿勢から立ち上がると大腸が動き出します。

この2つのタイミングが重なるのが、朝です。

ですから、ぜひ朝、余裕をもって起きて欲しいです。

学校に行く前、出かける前に排便する習慣ができるといいですね。

また、排便の姿勢も大切です。

前傾姿勢になり、お腹と太ももが近くなるような姿勢をとると、直腸に適度な刺激になり、便が出やすくなります。

その他の点では、自律神経が排便時の直腸筋や肛門括約筋の働きをコントロールしています。

排便時は焦らずリラックスしましょう。

便秘対策で大切なことは2つ

  • うんちを我慢してためこまないこと
  • うんちをやわらかくすること

・食物繊維をしっかりと食べましょう

(例:お米に大麦をまぜて炊く、すりごま、豆類)

・ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、味噌など発酵食品を摂る

・脱水が疑われるときは水分を摂る

漢方薬は腸の働きを調える(腸の筋肉の働きを調える)お手伝いができます。

また自律神経の働きも調えるお手伝いができます。

ですから、便秘の改善にはおススメ致します。

しかし、便秘がひどい場合は、まずは小児科で適切な処置をしてください。

そのうえで便秘の改善に漢方薬を取り入れることをおススメ致します。