花粉症の漢方の見立てと漢方薬

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花粉症の漢方の見立てと漢方薬

花粉が飛び始めました。
毎年、この時期・・・また憂鬱な時期が来た・・・と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
花粉症への西洋医学のアプローチの方法は年々進化しています。

ただ、もし、
・西洋医学の方法だけでは生活にまだまだ支障が出る。
・花粉症の症状が長引きだした。
・これは花粉症なのだろうか?
・気が付いたら、一年通して何だか調子が悪い・・・。
など、現在の治療方法に満足していない場合は、ぜひ漢方専門の医療機関で一度ご相談ください。

そもそも、西洋医学と漢方医学では花粉症に対する考え方が異なります。

西洋医学は「花粉」が原因で「花粉症」になる。
だから、
・花粉をできるだけ排除する
・花粉に対して身体が反応しずらい状態にする
という考えです。

それに対して、漢方医学は、
花粉は、「身体に症状を引き起こすきっかけ」と考えます。
症状が生じる原因は花粉ではなく身体側にあると考えます。

漢方の身体の見立て方には、「氣・血・津液」や「肝・心・脾・肺・腎」など色々とありますが、今回は、「湿・湿熱・滞り・熱・燥・寒」に分けて考えてみたいと思います。

「湿」の症状
・薄い鼻水がたくさん出る
・くしゃみがでる
・涙が出る
代表的な漢方薬として、小青竜湯があります。

「湿熱」の症状
・黄色い粘っこい鼻水
・目やにがでる
・黄色い痰がでる
これらの症状は、症状が「湿」にとどまらず熱を帯びた状態です。
代表的な漢方薬として、越婢加朮湯、辛夷清肺湯があります。

「滞り」の症状
・鼻が詰まって苦しい
これは上記の「湿熱」がさらに進行して生じることがあります。
代表的な漢方薬として、排膿散及湯があります。
ただし原因としてはそれだけでなく、「気の張り」や「緊張」などから生じることもあります。
その時は、身体を緩めるような漢方薬が必要です。

「熱」の症状
・目の充血
・のどの痛み
・鼻血が出やすい
熱感を伴ったり、痛みがある場合もあります。
代表的な漢方薬として、黄連解毒湯、銀翹散があります。

「燥」の症状
・粘膜の乾燥、ヒリヒリ感
・乾燥してかゆい
潤い不足から、乾燥だけでなく、熱感を伴うこともあります。
代表的な漢方薬として、麦門冬湯があります。

「風」の症状
かゆみの症状を漢方では「風」ととらえます。
自然界の風のように、突然始まったり身体のあちらこちらに移動したりするからです。
多くは、上記の「熱」「燥」「湿熱」などと一緒に生じます。
代表的な漢方薬は、「熱」「燥」「湿熱」で使用される漢方薬をベースに、
・赤みが強ければ熱を冷ます
・乾燥が強ければ潤いを与える
・湿が強ければ湿を取り除く
というように漢方薬をプラスすることが多いです。

「寒」の症状
もともと寒がり、冷え症のある場合は、「湿」「湿熱」「燥」の症状を悪化させます。
代表的な漢方薬として、真武湯、麻黄附子細辛湯と言ったものが必要なことがあります。

ざっくりと、分類をさせていただきました。

こじれていない症状であれば、花粉症の症状は緩和されると思います♪

もしなかなか改善しない場合は、ぜひ漢方治療を専門に行っている医療機関にご相談ください。

漢方薬が合っているか合っていないかは、花粉症については3日間飲めばわかると思います。
「何となく良い感じがする」
その感覚が大事です。