生薬「甘草」の役割

あさコラム/漢方処方について
  1. ホーム
  2. あさコラム
  3. 生薬「甘草」の役割

こんにちは。

世田谷 桜上水 漢方薬局あさの村上千絵です。

今日は朝、生薬の甘草(かんぞう)をフライパンで火にかけて炙りました。

これは甘草の根。

漢方薬局では刻まれた状態のものを生薬の問屋さんから仕入れ、使う前に炙ります。

甘草は中国の砂漠のような場所に生えています。

わずかな水をしっかりと根に蓄え生きています。

その働きは私たちの身体でも生じます。

だから、甘草の入った漢方薬では「むくみ」を生じてしまうことがあります。

甘草を炙る理由は、このむくみを生じにくくすることです。

むくむ可能性があるのに、なぜ漢方薬の70%以上に、この甘草が入っているのでしょうか。

1.むくむ=体内にとどまる=漢方薬の効果を持続させる…と考えられています。

2.甘草は甘味料に使われることから想像がつきますね、とにかく甘い!

漢方薬が飲みやすくなります。

3.甘さは体を緩めます。緩めることで切迫症状を改善します。

4.甘草は他の生薬の薬効を調和すると考えられています。

では、「むくみに漢方薬が良い・・・と聞いたことがあるけど、甘草は入っているの?」と思った方がいるかもしれません。

むくみの原因にもよりますが、多くの場合は甘草の入っていない漢方薬を使います。

疲れたときや脳疲労に「甘いもの」・・・と言いますが、「甘草」の働き=緩めることで切迫症状を改善・・・当たってますね。

先人の生薬の薬効への洞察力は本当にすごい!

「もっと精進!!」と思いました。

お読みいただき、ありがとうございます。

よくあるご相談 生理不順 / 不妊 / 頭痛 / めまい / 不眠 / 胃痛 / アレルギー / にきび / 疲労 / 冷え / 生活習慣病