温経湯の中の「阿膠」の役割

あさコラム/漢方処方について
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こんにちは。
世田谷区桜上水、漢方薬局あさの村上千絵です。

昨日ご紹介した「温経湯(うんけいとう)」。
この漢方薬は12種類の生薬で構成されています。
その中の一つに「阿膠(あきょう)」という生薬があります。

 

阿膠はウマ科のロバ又は近縁動物の皮を水で煮て製したものです。

阿膠は昔、山東省阿県にあった阿井という井戸の水で膠を煮て作ったので、「阿膠」の名がついたといわれています。

阿膠の働き・・・それは「血(血液+栄養)」を補うこと。

血を補う生薬というと、当帰、地黄などもありますが、阿膠はやはり動物性というだけあってパワーがあります。

そして、ただ血を補うだけでなく、潤いも与えます。

だから温経湯という漢方薬の中では、

阿膠+麦門冬が一緒になって、血を補うことで「水」の巡りを改善し、潤いを与えてくれます。

そして、潤いを与えなめらかになったところで、

阿膠+牡丹皮が一緒になって、「お血」を取り除いてくれます。

ちょっと力説してしまいましたが、「阿膠」という生薬はとても重要な働きがあり、欠かせないものです。

ただ、この阿膠、ここ数年で高騰してしまい、漢方薬製剤の中には代替品が使われているものもございます。

体調がよくなっているのであれば問題ありませんが、もし「あれ?!」と思ったら、ご相談下さいね。

阿膠の入った漢方薬というと、他には「芎帰膠艾湯」という漢方薬があります。

流産止めや不正出血がひどい時の止血のために使われます。

今日もお読みいただきありがとうございます。

午後も良い時間をお過ごしくださいね。

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