こんにちは。
世田谷区桜上水、漢方薬局あさの村上千絵です。
今日は婦人病に使用されることの多い、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)について書こうかなと思います。
当帰芍薬散は金匱要略(きんきようりゃく)という書物に出てきます。
①「妊娠している婦人が、お腹のしぼるような痛みを訴えるとき、当帰芍薬散の主治である」
②「婦人の訴えるいろんな腹中の痛みには当帰芍薬散が之を主治する」
とあります。 (「漢方212方の使い方」より)
①より、妊娠中の安胎薬として当帰芍薬散を勧めることがあります。
お腹の痛み意外にも、妊娠中の高血圧、妊娠糖尿病、むくみ、便秘、腰痛の予防として使用されることがあります。
②より、生理痛に使われます。特に冷えからくる痛みには良いですよ。
当帰芍薬散の中には当帰、芍薬、センキュウ、茯苓、沢瀉、白朮という6種類の生薬が入っています。
当帰、芍薬、センキュウは主に「血(けつ)」の働きを整えます。
血の巡りを改善し、筋肉の働きも整えるので、生理不順や生理痛、腰痛に効果を発揮します。
茯苓、沢瀉、白朮は主に「水」の働きを整えます。
「水」の巡りを整えるので、冷えやむくみを改善します。また、尿のトラブルにも良いです。
飲んでいて調子が良いと感じていらっしゃる方の中には、数年にわたり長期服用されることもあります。
例えば、徳川家康は、自宅の庭で薬草を育て、自分で「八味地黄丸(はちみじおうがん)」を作り、老化防止に長期服用されていたと言われています。
当帰芍薬散もそのような形で飲んでも大丈夫な漢方薬になります。
でも、もし何か新たな症状が出てきたとしたら、他の漢方薬を足す、あるいは、他の漢方薬に替えることも必要です。
合ったものを、合った量、合った期間で服用することをおすすめします。
今日もお読みいただきありがとうございます。
午後も良い時間をお過ごしください。